2Dと同じように、3Dでも視点の操作は作業をするための要になります。特に3Dでは、モデルがどのように構成されているかを把握するのを、モニタという2次元表示で把握しなければなりません。かなり注意深く、頻繁に表示を切り替えながら作業を進めることになります。
ここではそのために必要な最低限の知識と技術を紹介します。
「ビュー」メニューの「投影の方法」にはさまざまな投影の方法が用意されていますが、ここでは良く使用する「等角投影」と「透視投影」の2つを説明します。
この2つの投影方法は、実際には以下のように表示されます。等角投影は位置関係が整理して把握しやすく説明的であり、透視投影は実際の見た目に近く主観的です。多くの場合、モデリング作業中は等角投影の方が向いています。
※等角投影の代表的なものに「アクソノメトリック」がある。VectorWorksではモデリングを行うことでアクソメを作成できるが、ただ単に一枚をプレゼンとして作成する場合は、描いた方が断然速い。
図面製図マニュアル:
アクソメの描き方
関連用語:
アクソノメトリック
「ビュー」メニューの「3Dを見る」には、あらかじめさまざまな方向から3Dモデルを見る角度が設定されています。これはコンピュータ上で立体を把握するためには様々な角度・方向から立体を眺める必要があるからです。
これらの方向は具体的には下図のように見えます。
これらの視点の切替の中は、キーボードのテンキーに、ショートカットとして割り当てられています。何も選択していない状態にし、テンキーの数字キーを押すことで視点を切り替えることができます。立体を把握する際に利用しましょう。
3Dツールパレットは3Dでの視点を変更したり、モデルを編集したりするツールが格納されています。ただしこれらのツールは使い勝手が難しく、慣れるまでに時間がかかります。
視点を操作するには「ウォークスルーツール」「フライオーバーツール」「視点移動ツール」の3つのツールを使います。(その他のツールはほとんど使いません。)これらのツールを使えば、「ビュー」メニューの「3Dを見る」のあらかじめ設定された視点以外の、自由な視点で3Dモデルを見ることができます。プレゼンテーションのためには欠かせませんので、これらのツールにはできるだけ慣れておきましょう。
ウォークスルーツール
フライオーバーツール
視点移動ツール
※この3つは視点を編集するツールです。他のツールは扱いが難しいので使用しなくても良いでしょう。事実、これらのツールを使用せずに作れない形態はありません。
これらのツールで自由に視点を操作できます。具体的には下図のように視点を動かします。
各ツールの操作のコツは「ウォークスルーツール」「フライオーバーツール」「視点移動ツール」の各リンク先に少しだけ紹介していますが、最終的には慣れるしかありませんので色々と試しながら徐々に慣れましょう。
技法・解説:
ウォークスルーツール
フライオーバーツール
視点移動ツール
VectorWorksで作成した3Dモデルを、実際どのように現れるのかを見るためにはレンダリングを行います。一般的には「Open.G.L.」という方法でレンダリングし、どのような形になっているのかを確認することが多いでしょう。
Open.G.L.でレンダリングした3Dモデル。形や位置関係などがより分かり易い。
また、「ワイヤーフレーム」や「陰線処理」以外のレンダリングは、光源を設定する必要があります。光源の種類には「太陽光」「背景放射光」「平行光源」「点光源」「スポットライト」がありますが、VectorWorksの光の表現は影・反射・透過などの処理がなくそれほど詳細には表れません。形を把握させるためであれば、太陽光の設定だけでも充分です。
「レンダリング」や「太陽光」「背景放射光」の設定は技法・解説の項目を参照してください。
「平行光源」「点光源」「スポットライト」は3Dツールパレットの光源ツールから行いますが、難解な上、VectorWorks上では大した効果も求められませんので、ここでは解説しません。
技法・解説:
レンダリング
太陽光の設定
背景放射光の設定
関連用語:
レンダリング
モデリング