軸測投影。立体を平面上に描く投影図法の一種。一般的に平面図を45度回転または30度回転して、高さを与える。
アクソメは立体的に全体像を表すことができるため、構成、ボリュームの関係性、形態などの空間的な表現に適している。コンセプトを表現するダイアグラムとして利用することも多い。
慣れれば短時間で描くことができ、強力なプレゼンテーション・ツールとして活用できる。
図面製図マニュアル:
アクソノメトリックの描き方
正面のない家(1960年, 西澤文隆)のアクソノメトリック
出典:原口 秀昭『20世紀の住宅−空間構成の比較分析』, 1994, '鹿島出版会'
バルセロナ・パビリオン(1929年, ミース・ファン・デル・ローエ)の構成を示すアクソノメトリック
図版作成:京都造形芸術大学 通信教育部 建築デザインコース
JISの定める投影法の分類に沿って言えば、「軸測投影法」のことを"axonometric projection"(アクソメ)と言い、その中でも角度を等しく振り分けたものが「等角投影法」、すなわち"isometric projection"(アイソメ)にあたります。故に、厳密に言えば「アイソメ」とは広く「アクソメ」と呼ばれる図法の中に包含されるものであると言えます。
慣例として「等角投影法」以外の「軸測投影法」、すなわち「不等角投影法」のことを「アクソメ」と呼んでいます。つまり「立体を斜めから見た状態を表現する図法」というようなニュアンスで「アクソメ」と使われています。
また『環境デザイン基礎(建築)』P3の図101では「斜投影法」のことを「アクソメ」と記していますが、通常は「oblique projection(オブリック)」と呼ばれ、「キャビネット」や「カバリエ」と呼ばれる図法がこれにあたります。しかし「斜投影法」を用いて立体物を描く時に設定する角度によっては「軸測投影法」と同じ図が描けるため、それを「アクソメ」と呼んだとしてもあながち間違いではないのでしょう。ただし、一般的ではありません。
このあたりの解説は本によって表現が異なっており、非常に紛らわしいかもしれませんが、上述したように「立体を斜めから見た状態を表現する図法」のことを「アクソメ」と呼ぶと考えれば問題ありません。もし、さらに厳密な定義が気になるようであれば、図学・図法の本を調べていただいたり、『コンパクト建築設計資料集成』の「投影法」の項目を参考にすること。
関連用語:
製図
コンセプト
ダイアグラム
モデリング