私自身さいきんは多様なデザインの現場にかかわることが多くなっている。
周知の通り「デザイン」とは、なにか渾沌とした状況を「単なる表面的にお化粧」などして済むようなものでは決してない。「そのプログラムの裏に潜む事柄に常に意識しながら秩序立てていく行為そのもの」なのである。
このことを言い換えれば、デザインとか設計というのは結果だけが全てではないという至極あたりまえのことに過ぎない。ましてや近ごろ短絡的に捉えられているようにデザインは「ジャンル」ではないということが自明ということに気づくことだろう。
社会が高度化するに従ってその専門性も益々細分化し高度化していることは否めない事実だ。しかし、デザインするという行為は、ひらたくいえばそのプログラムに潜む目的を適切に見いだすこと。そしてその問題解決への筋道を意識的に立てていくことに尽きるとおもうのである。そのプロセスさえ明確であれば、結果は文字通りその結果に過ぎないのだ。したがってデザインの「ジャンル」にこだわることもない。(しかしながら私はここで「ジャンル横断的姿勢」を声高に叫びたいわけでもない。「ジャンルわけ」というつまらないカテゴライズを排したいだけなのだ。)
その結果あらわれるカタチとしての答えは一つではないかもしれないが、その選択についての根拠について、着想の時点では無意識にでも、最終の段階ではすくなくともその点については明確でありたいと常に意識している。つまり私はそういったタイプのデザイナーだということだ。