建築学習 memo


  1. 環境デザイン演習[建築]デジタル教科書
  2. 池永 誠之
  3. 乾 陽亮
  4. 井上 晋一
  5. 植南 草一郎
  6. 小野 暁彦
  7. 小池 志保子
  8. 小杉 宰子
  9. 清水 愛子
  10. 竹内 正明
  11. 谷村 仰仕
  12. 富家 大器
    1. できうるだけ包括的にかんがえる
    2. プレゼンテーションという姿勢について
    3. プログラムの解決としてのデザイン
  13. 野上 珠理
  14. 日高 奈々恵
  15. 山田 由希代

できうるだけ包括的にかんがえる富家 大器:デザイン基礎1,2(建築)添削担当


 専門性が細分化された現代のような時代だからこそ、デザインや建築を学ぶ学生として是非心していただきたいことは、目先のジャンルに縛られず「そのもののありよう」をいかに総合的に包括的に、そうしてジャンル横断的な視点でものごとをとらえられるようになるか、ということに尽きると思う。効率がすべてに優先する時代だ。確かにそうしないと、うまく物事が進まないのはわかる。
 しかし、専門性を深めていくことと同時に、このように視野視点を拡げていくことこそがとても重要な時代になってきている。でなければ、自分がかかわっていくものごと、つくりあげていく作品や仕事、そういったすべての事物がどのように存在していくのかということが、まったく見えないまま、もしくは把握しきれないまま段取りが進行してしまうという事態が起こりうる。これはいっけん効率がよいようにみえて、非常に危険なことだとわたしはかんがえる。

このことは勘違いしてもらっては困るのだが効率追求の時代である現代というものを否定的にとらえているのではないということだ。また創造行為において、すべての段取りを自分で全部コントロールせよと言ってるのでもない。
無論課題や作品をつくるという行為に駆り立てる動機づけは各々にあるだろう。それはそれでかまわない。ただ、自分が行っている作業、つくりあげている行為がなんであるかという意味は(常にでなくとも良い)時々自問して欲しい。そして視点を(自分自身をも客観化できるくらいに一度巨視的に・または時には近視眼的に)自在に調節し、日常的な効率優先の視点という呪縛から自由になることが創作という行為においてはその精神性の根底として必要だと切におもっている。