建築学習 memo


  1. 環境デザイン演習[建築]デジタル教科書
  2. 池永 誠之
  3. 乾 陽亮
  4. 井上 晋一
  5. 植南 草一郎
  6. 小野 暁彦
  7. 小池 志保子
  8. 小杉 宰子
  9. 清水 愛子
  10. 竹内 正明
    1. 「表現」に潜む論理性
    2. 「学ぶ」ことと積極性
    3. 創造行為としての「調べる」
  11. 谷村 仰仕
  12. 富家 大器
  13. 野上 珠理
  14. 日高 奈々恵
  15. 山田 由希代

「学ぶ」ことと積極性竹内 正明:環境デザイン演習[建築]II-1,2添削担当/DDLベーシック2D、DDLコンセプチュアルデザイン担当


何かを学ぶ、ということは、受け身では成り立ちません。
もちろん、人に教えを請うことは、たいへん効率的な方法と言えます。しかし、ただ教えを請うだけでは、有効な情報はほとんど得られません。教えを受け入れるだけの知識と心構えがなければ、どんなに有効な教えを受けても、それを理解することはできません。大切なのは、何をどのように受け入れるべきなのか、という判断だと言えます。
人から何となく教わって、何となく理解した気になって、何となく学んだような感じになることもあるでしょう。しかし、これでは本当の意味で学んだとは言えません。まずは、自分の知りたいことについて徹底的に調べ、徹底的に考えてください。そのうえで、人の言葉に耳を傾けてみてください。そうすれば、無意味だと思われたことに新たな発見を見出すことができます。
例えば建築設計に取り組む際には、建築の仕組み、建築計画、建築構造といった知識が必要不可欠です。これらの知識は一朝一夕に得られるものではありません。参考文献を読むだけではわからないことも多々あると思います。そんなときは、実際の工事現場を覗いてみることも大切です。また、自分の創り出したい空間イメージに近いものを、過去の建築事例のなかから調べ出すことも有効です。 備えのある人は、たとえ小さなひと言でも、多くのことを学び取ります。逆に、備えのない人は、多くの有意義な言葉を受けても、それを消化できないものです。こういった消化不良を解消するためには、自分で考え、自分で気づく必要があります。これに気づいたとき、「学ぶ」という行為の意味が理解できるように思います。
反面教師という言葉があるように、受け入れる側の意識次第でどんなことでも自分にとって有意義な情報になり得るのです。自分から切り開いていく積極性を持つこと、これが「学ぶ」ことの第一歩だと言えます。