図面は描くだけで終わりではありません。最終的には紙面やWEBポートフォリオにレイアウトし、意図をきちんと伝えるために表現しなくてはなりません。一つの図面だとそれほど問題ありませんが、複数の図面をレイアウトする場合、それらの図面同士の関係がよくわかるように示すことが重要になります。
そのために、紙面やWEBポートフォリオにレイアウトする際には、その図面をより読み易くするための決まり事があります。簡単な決まり事ですが、守らないとせっかく描いた図面が非常に読みにくいものとなってしまいますので、以下に説明することを基本であることを充分に認識して、それぞれの図面の関係が明確に分かるように図面をレイアウトしましょう。
なお、プレゼンテーション上の戦略や意図が明確であり、またそれぞれの図面の関係が一見して把握できるように充分に配慮されている場合は、基本から外れてレイアウトすることもあります。
関連用語:
レイアウト
図面をレイアウトする場合、特殊な例を除いて平面図・断面図・立面図の縮尺を必ず揃えておきましょう。配置図を除く、この3つの基本図面は見比べることによって建築を立体的に把握します。特に平面図と断面図の縮尺を変えてレイアウトすることは建築を立体的に把握する妨げになります。平面図・断面図・立面図の縮尺は揃えておくことが、図面をより明確に把握してもらうためには有効です。
※特殊な例とはプレゼンテーションの構成上、町並みの中での建ち方を印象的に示すために、立面図を表紙などに強調して表現する場合などのこと。ほとんどの場合、平・断・立の縮尺を揃えて間違いない。
図面は基本的に以下の通りに並びます。
配置図 → 下階平面図 → 上階平面図 → 短手断面図 → 長手断面図 → 南立面図 → 東立面図 → 北立面図 → 西立面図
※立面図はメインとなるファサードから反時計回りに並べられることが多い。
平面図の並べ方には決まり事があります。図面は基本的に下の階から把握するため、下の階から示すのが基本です。しかし、同一紙面上に複数の図面を縦に並べてレイアウトする場合、下の階を紙面の下方に、上の階を紙面の上方になるようにレイアウトします。また、横に並べてレイアウトする場合、下の階を紙面の左方に、上の階を紙面の右方になるようにレイアウトします。
1枚のシートに1つずつ平面図をレイアウトする場合下の階から順に掲載する。シートを1枚めくると階が一つ上がるレイアウト構成。
1枚のシートに複数の平面図を縦にレイアウトする場合下の階を下方にレイアウトし、上の階を上方にレイアウトする。実際の建物の構成と同じ位置関係になるレイアウト構成。
1枚のシートに複数の平面図を横にレイアウトする場合下の階を左方にレイアウトし、上の階を右方にレイアウトする。
1枚のシートに複数の平面図を行列状にレイアウトする場合下の階を下の段から左詰めで埋めて行く。
下の階をシートの下の方に集め、上の階がシートの上の方に集める。横に並ぶ図面の順序は図面を横にレイアウトする場合に準ずる。
平面図・断面図・立面図では、それぞれの図面の間で往復しながら、位置関係や構成などを立体的に把握します。それぞれを紙面やWEBポートフォリオにレイアウトする位置には充分に注意しましょう。それぞれの図面の位置を必ず揃えてレイアウトしなければならないことに注意しましょう。基本的には、書く図面の基準線の位置を揃えておいて間違いありません。階段や柱の位置がずれるように見えるのでは、表現に問題があります。
なお、明らかにずらしてレイアウトしていることが分かる場合はこの限りではありません。
1枚のシートに1つずつ平面図をレイアウトする場合シートをパラパラとめくりながら図面の上下関係を把握するため、シート中で同じ位置に図面が配置されている必要がある。
1枚のシートに複数の平面図をレイアウトする場合縦に並べる場合でも、横に並べる場合でも、基本的に基準線の位置を揃えておくと、上下階の関係を読み取りやすくなり、図面のレイアウトとして適切である。
※平面図の間だけではなく、平面図・断面図・立面図の間でも、できる限り基準線を揃えておいた方が見やすいレイアウトになる。
1枚のシートに複数の平面図をずらしてレイアウトする場合ずらしてレイアウトする場合でも、ランダムにレイアウトするのではなく、上下階の関係をより把握しやすいように配慮しなくてはならない。