di*a*gram
A plan, drawing, or outline designed to demonstrate or explain how something works or clarify the relationship between the parts of a whole.
(あるものがどのように作用するかを説明あるいは表現したり、また全体における部分相互の関係を明らかにしたりするためにデザインされた、図面、線画、概略図。)
THE AMERICAN HERITAGE COLLEGE DICTIONARY
「ダイアグラム」という言葉はかなり幅広い指示対象を持つ。一般的には説明図や概略図、図表やチャートなどと訳される。つまり何らかの情報を視覚的に分かりやすくした絵のようなものと説明できるが、特に建築の分野では、コンセプトや条件などがどの様に空間のカタチと関わるかを示す図として扱われることが多い。
例えば、フロアの積層をわかりやすく描いたアクソメのようなものや、平面図に人々のアクティヴィティを矢印で記入したもの、複雑な断面の構成をわかりやすく簡略化し色分けした図、もしくは建物の核となる主要な要素だけを抽出し、それらの構成だけを示したコンセプチュアルな図のことなど、多岐に渡る。
ある本の中では、形が生成してくるプロセスを白と黒(地と図の関係を示す)のわかりやすい図で示したものをダイアグラムと呼び、同じ本の中で、グラフィカルに処理されたおおざっぱな機能別ゾーニング図も同じくダイアグラムと呼ばれる。もちろんそれら全てが「ダイアグラム」と言うことができる。
文脈によって「ダイアグラム」の内容も変わってくるということになるが、建築の分野においてダイアグラムが果たす主な役割は、「コンセプトが空間構成にどのように反映されているかを示す図」ということになる。いわば「コンセプトとカタチの関係」を示すものという意味が込められている。
つまり、建築(空間)を創造することで特にやりたいこと(コンセプト)が、どのように具体的にその空間構成(部分と全体との関係や、カタチによる作用など)に反映されているか、あるいはコンセプトによってどのような空間構成が生成しているか、を分かりやすく示す概略図、と言えるだろう。
形態的なデザインの発展を示すダイアグラム。
出典:David Chipperfield 『Architectural Works 1990-2002』, 2003, 'Princeton Architectural Press'
既存部分と増築部分に跨る遊歩道を示すダイアグラム。
出典:David Chipperfield 『Architectural Works 1990-2002』, 2003, 'Princeton Architectural Press'
上下階の空間構成を示すダイアグラム。
出典:Waro Kishi 『PAJU Book City, SW Office』, 2001
地域の人のアクティビティのダイアグラム
出典:Ti-Nan Chi 『Capital Plaza, Taipei』, 2001
関連用語:
コンセプト
アクソノメトリック
ゾーニング
地と図
スタディ
エスキス
コンペティション