地と図Gestalt


ゲシュタルト心理学の用語。
私達がものを見るとき、浮き出て見えるものと、その背景のものを知覚する。前者を図、後者を地という。
下図のルビンの壷では、向かい合わせ2つの顔としてに見る場合、黒の部分を「図」白の部分を「地」として捉えている。、壷の絵として見る場合、白の部分を「図」黒の部分を「地」として捉えている。
このように、ものは見方によって知覚の仕方が大きく異なる。 01 ルビンの壷誰もが見た事のあるこの「騙し絵」は、向かい合わせ2つの顔として見えたり、壷の絵として見えたりする。つまり一つの絵に、見方によって2つの捉え方があることが「騙し絵」と呼ばれる所以である。
建築の分野でも、図と地の概念が援用されてきた。
クリストファー・アレキサンダーは、建物が「図」、屋外空間が「地」に見えてくる時、その屋外空間を負の環境として、居心地悪く、利用されない傾向にあるとした。一方、屋外空間と建物が、「図」としても、「地」としても見ることができる、つまり、図と地の反転可能な屋外空間を、正の環境とし、居心地のよい空間であるとした。
このように、建物や外部空間などの、形態的な関係によって環境を分析する際、「図と地」の概念が、しばしば利用されている。

02 正の環境
03 負の環境 出典:クリストファー・アレグザンダー『パタン・ランゲージ―環境設計の手引』, 1984, '鹿島出版会' 関連用語:
透明性 フラクタル セミラティス