近代建築の5原則Five Points Towards a New Architecture


ピロティ、屋上庭園、自由な平面、水平連続窓、自由な立面
1927年、ル・コルビジェが提唱した造形言語。
伝統的な組積造の、重い造形とは異なり、5つの要素からは、明るく、軽やかな建築を想像させる。これらの造形は、ル・コルビジェの考え出した構造システムによって実現可能となった。

01 出典:黒田智子 編『作家たちのモダニズム』, 2003, '学芸出版社'
1914年、コルビュジェはドミノ・システムと呼ばれる、スラブと柱による構造形式を考案する。このシステムの画期的な点は、壁が構造体から開放されたことにある。それまでの、組積造において、壁は構造体であったため、空間を仕切り、建築を囲う厚い壁は、構造的な要件を満たすために絶対に必要であったのだ。
壁の配置が自由になることから、平面、立面は自由になる。また、配置しないことも可能であるから、外部へ開放されるピロティ、多くの光を取り込む横長窓、屋上庭園が可能となるのである。
コルビュジェは、近代建築の5原則を提唱することによって、伝統から開放された、新しい時代の建築の姿を示そうとしたのである。 代表作、サヴォア邸は5原則を具現化したといわれる。
06
Le Corbusier, Villa Savoye, 1929壁は荷重を請け負わず、水平に連続して穴(開口部)が穿たれている。 07
屋上庭園Le Corbusier, Villa Savoye, 1929 撮影:安部秀司 関連用語:
ドミノ・システム ピロティ キャンチ・レバー カーテン・ウォール 架構 ラーメン構造 スラブ RC造