階段の描き方


階段は図面の中でもスラブの上下関係や動線などを指し示す重要な部分です。特に間違いの多い部分でもありますから注意して描くようにしてください。
平面図は床レベルから1,000〜1,500mm上にある水平面で切って上から見た図ですが、階段については水平面で切らずに記号的に処理する表記方法があります。これは平面図の階段の描き方の「決まり事(ルール)」ですから、間違いのないようにしてください。

01 階段は次の階までの2/3〜3/4程度上がった箇所に斜めの細線を入れて、そこから上部の階段を省略する。(ちなみに、斜めの細線は「30 または 45度」で記入することが多い。)
また階段は、左図のように、登る方向に向かって「登り始め」から、「省略線」または「登り終わり」まで細線で矢印(→)を引く。
登り始めの部分には黒丸●および「UP」を記入し、矢印の方向は常に階段を登る方向に向かって、記入する。
また、下りの階段(見えがかり)は省略せずに全て描く。

図面データ:step.zip
技法・解説:
壁・柱・梁の描き方


階段に特別な表記方法がある理由

02 階段を床レベルから1,000〜1,500mm上にある水平面で実際に切ると、左図のような切断面になる。しかし、人が通れる場所にあるにも関わらず、壁や柱とおなじように人が通れない表現になってしまう。区別がつかなくなるので紛らわしい。なので、そのままの切断面を図面に表記すると不適切な図面表記となる。


03 吹抜空間の上階平面図吹抜にある階段を上階で描く場合、省略せずに全て書き込む。その上で、吹抜を示す×線を左図の様に記入する。

図面データ:step.zip

04 吹抜空間の下階平面図直線階段などは途中で斜めの細線が記入され、階段の下の様子が見える。次の階までの2/3〜3/4程度上がった箇所に斜めの細線を入れる、ということは概ねその下は人が通れる高さになっている。つまり、人が利用できる高さになったとき、または階段が人の目線の高さより上になると斜めの細線を入れて省略するという意味もある。
上部のスラブと階段の位置を示す点線の表記に注意。
技法・解説:
吹抜の表現 地下階の描き方