分節を意味する。
構造の分節、機能の分節、空間の分節、ファサードの分節など、建築の多様な位相において、分節という行為が行われている。
立面のアーティキュレーション1階、2階、3階のファサードのデザインが異なる。
出典:フランシス D.K. チン『建築のかたちと空間をデザインする』, 1987, '彰国社'
「金属の平面」と「石のボリューム」の隙間法隆寺宝物館は石の直方体のボリュームの回りに、金属の平面が組合わさった構成をしている。それぞれを独立して表現するために「金属の平面」と「石のボリューム」の間には隙間が空けられ(金属と石/平面とボリュームの分節)、そこにトップライトが設けられている。
近代以降、建築は空間のボリュームの組み合わせとして捉えられ、それらは、機能的に分割されるもの、という認識が一般的となった。
アーティキュレーションは、ここでは、どのように機能や空間を分節するのか、という問題としてあらわれ、モダニズムの建築家にとって、重要な意味を持つこととなった。
一方、機能によって空間を分節するという近代主義的な考え方に対し、近年では、空間と機能は必ずしも対応関係にはないとする立場に立つ建築家もみられる。例えば、青木淳は、「動線体」と定義づけられた概念を持ち込み、空間がズルズルと繋がっていく建築を実現しようとしている。建築から明確な分節をなくすことが試みられているのだ。このとき、空間のアーティキュレーションは、消失させるべきものとして認識されている。
関連用語:
勝ち負け
ボリューム
動線