都市に対して開放することもできる1階のダイニング・キッチン〜土間スペースは、模型における土間の表現も手伝い、様々なシーンをリアルに想像させる。一方、段差を活かして各室を繋いだり階段ベンチを設けているのは素晴らしいが、採光に関しては段差があまり活かされておらず、特にバルコニーを通してDKに光や風が入ってくるよう計画できていると更に良い計画になったように思う。またバルコニーや屋根と名付けないで「土間空間」を2階や屋上にも計画できていれば、タイトルやテーマがより明快になっただろう。最後に、平面計画、図面の描き方、模型の作り方、レイアウトなど丁寧に時間をかけて作業していることが一目見てわかるが、これは最も重要な点である。
(*制作条件が現在とは多少異なる作品ですので、あくまでも参考としてください。)
(担当講師 : 藤田 慶)
キッチンの母親から吹抜け越しに子供室とコミュニケーションが取れるなど、各層に断面方向でのつながりがありなおかつ多様な空間が存在することが一目瞭然な計画です。扉の開き勝手や家具の置場など細部にわたるまで機能や寸法が意識されているところも1/50の図面に相応しいものです。分析シートの中で抽象化された模型やアクソメが紹介されている構成の明快な事例をピックアップしていることが特徴的ですが、ご自身の作品でもそのような抽象化した(コンセプト)模型やアクソメで説明できると良かったように思います。図面も正確かつ非常に分かりやすく書かれていますが、中でも寸法線や床レベル高の表記は参考になると思います。
(担当講師 : 藤田慶)