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update on 2017.08.08

「環境デザイン演習[建築]III-1、III-2」の課題提出上の注意点

本年度の添削にて、昨年度までのシラバスに記載の「環境デザイン演習[建築]III-1」および「環境デザイン演習[建築]III-2」の課題内容のままで提出している学生の方が多いのが目立ちます。シラバスは毎年変更になりますので、各年度毎、必ず確認するようにしてください。

それに伴い、「環境デザイン演習[建築]III-1、III-2」に関して改めて注意点を2点お知らせします。

「環境デザイン演習[建築]III-1」に関して、計画学的に建築の大きさを示さないままシナリオスケッチをする方が何人か見受けられたため、制作条件の項目を追加しました。
『内容』に則して課題を進めている方々に特に問題はございません。

(以下、追加項目/airUシラバスは追加反映済み)---------------
6. ダイアグラムを作成し、それに基づいた図面を作成する(縮尺1/400程度。A3用紙1枚。)
新機能と託児室と図書室とをどのように複合させるかを色分けやアクソメにするなど工夫をし、ダイアグラムを作成する。
ダイアグラムに基づいた図面は、シングルラインでも良いので、与えられた面積表を元に縮尺1/400にて図面化する。配置図兼1F平面図、2F平面図、断面図(1/400に調整)
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また、「環境デザイン演習[建築]III-2」では敷地は与えられております。
必ず敷地を確認し、その敷地にて課題に取り組んでください。

その際に、ただ敷地に計画を当てはめるのではなく、以下の3点に留意し設計を進めてほしいと思います。
既に進めている方はそのままでも問題ありませんが、3年次の最後の課題ですのでこういったヒントが無くとも自分で把握し進めて欲しいと願っております。

(設計するうえで留意して欲しいこと) -------------------------------------
1. 敷地の地形的コンテクストに関して
10m近い高低差があり、昔は川があったような谷底に位置し、須賀神社の男坂参道の入り口に位置するこの敷地のコンテクストを把握すること。身の回りで神社といえばお祭りがあるだろうし、人の集まる地形的しくみがあるのかもしれないと想像して欲しい。

2. 敷地の歴史的コンテクストに関して
木造密集地が故に再開発されずにきているため、東京のど真ん中であるにも関わらず古くからの住宅が多いが、近年敷地が区画整理され集合住宅が建てられるなどし新旧が入れ替わりつつある。そういう歴史的な背景も含めてどのような人々が住んでいるのかを想像して欲しい。

3. 敷地の社会的コンテクストに関して
こども食堂というヒントにもあるように、社会全体の問題として、核家族化により共働きしながら子供を育てる人々の生活を考えてみて欲しい。そして、こういった木造密集地に限ったことでは無く、古くからいる住人と新しく流入した世代との交流がどのようにされるのか想像してみて欲しい。こどもを介した地域の交流によってどういう未来を描けるのかを想像して欲しい。

以上のようなことを想像する力を養えたならば、これからの公共施設のあり方、つまり卒業制作において自身の課題をを考えるきっかけになるのではと願って作っている課題です。
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※上記は「環境デザイン演習[建築]III-2」Web教材としてもアップしています。


本年度卒業制作着手する方は、8月度に「環境デザイン演習[建築]III-1、III-2」の合格が卒業制作本要件です。
残り時間わずかですが、もう一踏ん張り頑張って取り組んでください。