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theme : 風景と建築をめぐる歴史と現在lecturer : 中川 理
京都工芸繊維大学大学院教授講義内容:
風景と建築をめぐる歴史と現在
建築の評価は、作る側(建築家)だけでできるものではない。建築を利用したり体験したりする側からの評価も重要なはずだ。 最近では、その評価として「景観」としてすぐれているかどうかが判断されることが多くなった。 しかし、「景観」がすぐれているって、どうやってわかるのだろう。そもそも、風景のようなものは、きわめて個人的な価値判断であるはずだ。 実際に、「景観」をめぐっては、いろいろな矛盾があちこちで起こっている。「まがいもの」が横行したり、過剰な演出がもてはやされたり、 現実を隠すために偽装したり。場合によっては、建築の本質がゆがめられてしまうような事態も起こっている。 建築が風景としてどのように捉えられてきたのか、捉えられるべきなのかを、様々な事例から考えてみよう。
経歴:
1955年、横浜市生まれ。1988年、京都大学大学院博士課程修了。工学博士。 日本学術振興会特別研究員を経て、1992年より京都工芸繊維大学助教授。 2003年より同大学院教授。
専門は、近代建築史、都市史。著書に、『偽装するニッポン』、 『重税都市―もうひとつの郊外住宅史』(都市計画学会論文奨励賞)、『京都 モダン建築の発見』、 『風景学―風景と景観をめぐる歴史と現在』など。共編著に、『近代建築史』、『東山/京都風景論』、 『京・まちづくり史』など。