美しく模型を仕上げるためには、組み立てる方法や順序と、美しく見える部材と部材の取り合わせ方をまず考える必要がある。
特に、部材同士の取り合わせのことを「勝ち負け」といい、全面に出す部材を「勝つ」と言い、控えさせる部材を「負ける」と言う。つまりある部材と部材がぶつかり合うとき、そのぶつかる事によってカタチに影響を受けない事を「勝つ」、影響を受けることを「負ける」というのである。
「勝ち負け」は模型を制作する時だけではなく、カタチを設計する上でも非常に重要な意味を持つ。表現内容や出来上がった形態の意味、空間の方向性などを決定する非常に重要な事柄なので部材の勝ち負けには細心の注意を払う必要がある。
関連用語:
勝ち負け
下の図は、ある建物の計画の例。基本的に床よりも壁が重要である造形をしている。よって、模型でも、床よりも壁の方が「勝つ」ように作成する。
もちろん、コンセプトによっては、床が勝つ、屋根が勝つ、などの造形が考えられるため、その都度、その部分で「勝ち負け」を判断しなければならない。
「01」の部分この場合、壁が「勝ち」、屋根スラブが「負け」。
同時に、形態的に屋根より壁の方が重要であることを示す。
「02」の部分この場合、壁が「勝ち」、2F床スラブが「負け」。
同時に、形態的に2F床スラブより壁の方が重要であることを示す。
「03」の部分この場合、壁が「勝ち」、1F床スラブが「負け」。
同時に、形態的に1F床スラブより壁の方が重要であることを示す。