当然のことながら、設計図面は、実物の大きさよりは小さく書く必要がある。このときその小さくした図面の尺度のことを縮尺という。縮尺によって、そこに描かれるものの「省略度合い」も異なる。1/200の図面であれば、壁は2本線で表されるが、1/20の図面になると、柱、壁仕上げ材、とより詳しく描かれる。設計の概略を伝える図面であれば、1/200で、細かいことは省略したほうがわかりやすいだろうし、施工の現場で必要な図面であれば、1/20でより細かく書いたほうが意図が伝わる。
誰に何を伝えるのかということを考えて、縮尺を選ぶ必要がある。
フランス国立図書館コンペ案
巨大な建築のコンセプトを、コンペで的確に伝えるための、抽象的な平面図。縮尺は1/2500で描かれた。
出典:『a+u 2000年5月号臨時増刊 OMA@work.a+u』, 'エー・アンド・ユー'
聖ベネディクト教会 ピーター・ズントー構造材・下地材・仕上げ材のレベルまで、細かく示した断面詳細図。縮尺は1/20で描かれた。
出典:『a+u 1998年2月臨時増刊 Peter Zumthor』, 'エー・アンド・ユー'
関連用語:
製図
配置図
平面図
断面図
立面図