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歴史遺産の部屋

『古事類苑』

2021.11.26

みなさん、こんにちは。業務担当非常勤講師の岩田です。ぐっと寒くなってきましたがいかがお過ごしでしょうか?

お目当ての史料をどうやって探すか。いろいろと方法はありますが、今日は『古事類苑』(普及版全51冊、吉川弘文館)をご紹介します。

『古事類苑』は、日本史上の社会・諸制度に関して、部門に分け、事項ごとに解題を記し、史料の原文を掲載した百科事典です。その対象範囲は広く、天部、歳時部、地部、神祇部、帝王部、官位部、封禄部、政治部、法律部、泉貨部、称量部、外交部、兵事部、武技部、方技部、宗教部、文学部、礼式部、楽舞部、人部、姓名部、産業部、服飾部、飲食部、居処部、器用部、遊戯部、動物部、植物部、金石部の30部門から構成されています。動植物や生活に関わることなど、なんでもござれなので、何か調べものをしたり、史料を探したりする際に活用できる、便利なツールつとして是非覚えておいてください。

例えば、「官位部三」の巻では、徳川幕府の職員に関して取り上げており、その中で「大目付」の項目があります。まず、『古事類苑』が「大目付」の解説を述べます。その後に、「職員」「職掌」「位階」「待遇」「俸禄」「西丸大目付」に分け、それらに関する史料を列挙しています。この項目が古代からあるものであれば、古代からの史料を列挙してくれています。『古事類苑』の解説は、カタカナ交じりの文なので読みにくい印象を受けますが、適格かつ簡潔に述べているので、とても参考になります。

数十巻からなる『古事類苑』の中から、いきなり探したい語句に関する該当部分を探し当てることは至難のわざのため、索引を使用します。ただし、『古事類苑』別巻の索引本は旧字・旧仮名遣いで語句を掲載しており、使いにくいです。例えば「皇后」は「クワウゴウ」で語句が掲載されています。そのため、現代仮名遣いで検索できる、倉本一宏『古事類苑新仮名索引』吉川弘文館、二〇一〇年が便利です。

国際日本文化研究センターのHPには「古事類苑ページ検索システム」があります。こちらを利用して検索すると、紙媒体の『古事類苑』の該当ページのPDFを見ることができます。「キーワード検索」を利用すると、語句によってはたくさんの件数がヒットする可能性がありますのでご注意を。また、「部門目録(総目録検索へ)」をみると、上記の30部門の中身がわかります。どのような項目があるのかよくわかり、知らない語句もけっこうあり、眺めるだけで興味深いです。こちらからも、その該当ページのPDFを閲覧できます。

史料のデータベースで検索をする際、入力するキーワードをいろいろと試してみることをお勧めします。例えば「月命日」はいつ頃から行われているのか、史料を調べたい場合、『古事類苑』の「総目録キーワード検索」や「キーワード検索」で「月命日」と入力してもヒットしません。その場合は「月忌」と入力してみましょう。また、もっと間口を広げて「命日」と入力すると、「総目録キーワード検索」では「月忌命日」の項目があることが判明し、該当ページに飛ぶことができます。「キーワード検索」では「命日」の見出しがあることが判明し、同様に該当ページを見ることができます。

そのページに並んだ史料から、「月忌」は院政期には行われていたことが判明します。そこから、同時代に「月忌」以外の言葉を用いて同様の行為が史料に記されていないか、また、「月忌」という言葉にはなっていないけれども、それ以前からこのような行為は行われていないか、摂関期以前や院政期の史料を確認するなど、作業の範囲を広げていくことも可能です。

ジャパンナレッジにも同様のコンテンツがあり、国際日本文化研究センター「古事類苑ページ検索システム」のインターフェイスを一部変更して公開しています。関心のある方は一度覗いてみてください。また、紙媒体の『古事類苑』も図書館で手にとってみてください。

国際日本文化研究センター「古事類苑ページ検索システム」
https://db.nichibun.ac.jp/pc1/ja/category/kojirui.html
*同機関の「古事類苑全文データベース」はまだ入力途中で未完成です。


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