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おすすめの関西の博物館 その①国立民族学博物館・大阪日本民芸館

2021.07.05

みなさん、こんにちは。業務担当非常勤講師の岩田です。毎日じめじめした日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。今日は関西のおすすめの博物館をご紹介したいと思います。

国立民族学博物館は、大阪の吹田市にある万博記念公園内にある博物館です。大阪近辺の方は、学校の遠足などで訪れたことがある方も多いことでしょう。

館名にある通り、世界の諸民族の文化や生活に関する資料を収集し、展示しています。大きな特徴は、大学共同利用機関であり、研究機関としての顔を持っています。初代館長の梅棹忠夫氏のアイディアが満載の同館は、その後に作られる博物館に大きな影響を与えました。

常設展示は、世界の各地域の文化を取り上げた地域展示と、世界の言語や音楽を取り上げた通文化的展示で構成されています。地域展示は、オセアニアからスタートし、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、アジア各地域をめぐり、最後に日本へ辿り着きます。

ここは、美術館のように1点1点資料を鑑賞するというよりも、展示された衣食住や宗教に関する膨大な資料から浮かび上がる各文化圏の文化を体感する博物館だと思います。まるで世界旅行をしているかのように各文化圏を通り、最後にたどり着く日本の展示場には、私達の知らない日本の文化が目の前に広がり、まるで異邦人になった気分になります。

私は、アイヌ文化の展示が充実している点や、冠婚葬祭に関する異文化について学べる点が気に入っています。おびただしい資料が展示されているので、服装や住居、食生活など、何か自分の関心のある事柄に注目して展示を見るもよいかもしれません。とにかくわくわくする博物館です。

非常に広い博物館ですので、ここだけで時間を要しますが、余力のある方は是非、あわせてお向かいにある大阪日本民芸館にも行ってみてください。こちらは、柳宗悦の提唱した、日常に使われる生活道具に美を見出す民芸運動の拠点の一つです。国立民族学博物館と似たような資料(器や染織品など衣食住に関わるもの)を収集・展示していても、博物館の理念や性格が異なるとここまで展示が違うのか、というのがよくわかります。展示室はとてもあたたかい雰囲気があります。

ずいぶん前なのですが、3人の理念や性格の異なる博物館の館長(みなさん有名人!)がレプリカの使用について語っています。全く違う考えを述べており、興味深いのでご紹介しておきます(抜粋です)。

①国立民族学博物館(梅棹忠夫氏 1974~1993年初代館長) 
「博物館にあるものは広い意味の思想なんだ。思想がなけりゃできない。資料は、その思想というか理念を語るための材料なんです。したがって物がなければ作ればいいんだ、という思想なんだ、わたしは。つまり、美術館ですと、鑑賞ということがありますから、これは贋物を鑑賞させられたということでは納得しないわけですから、なかなかしんどいと思います。しかし、民博(民族学博物館)では複製がたくさん展示されてるんです。うちの場合は特殊事情があって、資料がいわゆるアーティファクトでしょう。つまり人工物です。もともと人工物なんだから、それはどんどん作ったらいい」                       
     
②京都国立博物館(林屋辰三郎氏 1978~1985年館長)            
「美術的な資料というのは、わたしたちの国立博物館では絶対ほんものでなければいけません。歴史の生活資料としてはコピーでよろしいから、出されたらいいと思います」

③国立歴史民俗博物館(井上光貞氏 1981~1983年初代館長)                
「私は美術品にたいしてのレプリカには消極的だが、日本人の生活史に重点をおこうとするなら、レプリカによって十分に効果を発揮できると思う」


〈出典〉
①「博物館の思想」(『諸君!』1980年4月号)
②「座談会 国立歴史民俗博物館(歴博)をつくる」(『日本歴史』397号、1981年)
③「歴史博物館をつくる」(『国立歴史民俗博物館研究報告』第3集、1984年)


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