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読書会レポート 『JR上野駅公園口』

2021.11.20

本日11月20日に行われた文芸コースの読書会(全米図書賞受賞作『JR上野駅公園口』柳美里)について、参加できなかった方のためにその一部をシェアさせていただきます。
以下はネタバレも含むと思うので、まだ読んでおられない方はご注意ください。

まずは先生方のコメントから。
本日は安藤先生、小柏先生、栗原先生の3名の先生方がそれぞれに興味深い視点を提示してくださいました。

そのポイントを抜き書きすると次のような点が挙げられるかと思います。

●社会学にはできなくて、文芸だからできることがこの作品にはある。

●日本語の原作と英訳のTokyo Ueno Stationとを比較してみると表現の違いが興味深い。
(原作では受け取り方に迷いが生じるようなところも、英訳では明快な事実として書かれていたりする)

●語り手である主人公がインターフェースになっており、媒体として現在過去をつなぎ、その区別のない時間の重みが押し寄せている。

●異なる要素を織り込んだモンタージュ作品となっている。

●巻き込まれざるを得ない人生を描く上で、
ホームレスに至るまでの一人の男の人生と、3.11を繋げた作品と言える。

●JR上野駅の2番線、というモチーフが何を表しているのかを考えながら読むことで、この作品の言わんとすることが何なのか、たどり着ける。

●柳美里の JR シリーズを読むことは、今後の皆さんの創作に繋がると思う。

かなり要約していますが、以上が先生方のコメントでした。

読書会で議論になったのは、語り手は生きているのか死んでいるのかという問題でした。

この辺りのことは英訳版でははっきり書かれているようです。

それを聞いて思いました。この作品を読み終えてすぐ、真っ先に疑問に思ったのは、日本語の原作で読んでさえこれほど受け取り方に迷いが生じる作品を、英訳で読んだ人はどこをどう評価したのだろうかということでした。
日本語原作では読者に委ねられた曖昧さが、英訳版からは排除され、解釈の間違えようのない事実のように書かれているているのだとしたら、それは同じ作品でありながらもどこか似た違う作品なのかもしれないというふうに想像しました。

またここに書いたこととは違うポイントに
注目された方もいらっしゃると思うので、
そんなお話も伺いたいと思います。

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メンバー 9名

【小説合評サロン(仮)とは】

日々孤独に小説創作に取り組んでいる皆さん、定期的な合評の場が欲しいと思ったことはありませんか。

当サロンでは、大学の課題で執筆した掌編、短編作品をはじめ、小説新人賞への応募を考えて執筆中の作品、あるいは過去に予選落ちした作品も含めて、自作品の弱点や美点を客観的に把握したいという意欲ある書き手のための合評サロンとして立ち上げました。
「合評の対象作品が今以上に面白くるには」を考え、伝えるという作業を通して、自作品を深めることにも生かされるだろうと思います。

ひとりで考え続けていると行き詰まることもある小説創作ですが、そんなときにも活用できる場になればと考えています。

参加資格は、書き手であることと、他者作品をきちんと読み込んでから合評にのぞむことのできる方であること、の二つだけです。

【ご注意】
自作品の合評を受けるためには、他者作品の合評に参加できることが前提となります。合評会の性質上、自作品の回のみの参加は認められませんのであらかじめご承知おきください。

【小説合評サロン(仮)のグループLINE】
当サロンにメンバー登録されたのち、下記のメールアドレスへご連絡ください。グループLINEへの招待状をお送りします。
合評会のスケジュール調整など、具体的な調整はグループLINE内でおこなってまいります。

小説合評サロン
sg.salon.11139●gmail.com
●は@に読み替えてください。


【当サロンはこんな方に適しています】

● 小説新人賞への応募を目指して創作に取り組んでいる
● 課題で取り組んだ掌編、短編について他者の感想・批評を聞きたい
● 自作品(小説)について感想・批評を聞きたい
● 小説執筆に取り組む仲間と情報交流をしたい
● 10枚から100枚程度の完成した小説作品がある
● 1000〜3000字程度の掌編作品がある
● 合評作品を真剣に読み込み、真摯に批評する姿勢がある

……etc.




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