「門」そのものは、内と外をつなぐものとして、文字どおり「出入り口」なのは言うまでもない。しかしながら、機能それ自体よりも多分に宿命としての象徴的意味を帯びたその在り方を問われている例が多いようだ。
上京の長屋門(旧押小路子爵家)
現代生活に一見適合しないものがすぐに姿を決して行く昨今、江戸~明治の武家屋敷の流れを汲むものとして、社寺等に比し地味ながら貴重な存在。
現存するのは本長屋門であったものの一部。左側の窓はオリジナルではなくいわゆる「与力窓」に作り替えられているが、全体としていまなお充分な存在感を持っている。

結界のかたち
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ウチとソトを隔てるのは何も物理的なバリアーを廻らせるだけでなく、写真のように、いとも簡単に越えられそうでいて、しかしながら明らかに部外者を寄せつけない「精神的バリアー」を誘発させることによるケースもある。
中京の町家(SECONDHOUSE)
商家であったものが喫茶店へ転用された例。
京都の中心からいわゆる「町家」が次々姿を消して行くなかで、伝統的なスタイルが逆に新鮮なインパクトを道行くものに与えている。
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