いろどる 【彩る】

色彩と造形の関係について手を動かしながら考えてみよう

建築や空間には実に多くのプログラムが潜み、表装にあらわれ、目に見えている部分はそのほんの一部分の結果に過ぎないことが多い。そのことを前提にしながらなお逆説的に、色彩は単なる建築や空間の「お化粧」だけではなく逆に色ですべての印象が変わってしまうこともまた紛れもない事実である。

極彩色に塗られた復元応天門は、オリジナルとスケールこそ違え、往事の姿を偲ばせるには充分。今とは違い、町中に色が氾濫していなかった当時、「王宮」としてのハレの空間を思いきり演出し、街に軽快なめりはりを与えていたものと想像される。

平安神宮 応天門



ギリシャ神殿/アテネのパルテノン
同じかたちでも色によって受ける印象は大きく異なる。ここにあげたパルテノンは、オーダーという比例関係によって、抽象的ともいえるプロポーションを持ち、「かたち」だけでも完成度の高いもので、色彩の入る隙はないように思える。 しかし、当初は彩色されていたという記録が残っており、そしてそれが意外にもかたちと補完関係にあったことがわかる。

ギリシャ神殿(アテネのパルテノン:モノクロ 132K)
PDFファイルをDL&プリントアウトした上で、イメージのままに自由に彩色し、
彩色前と「何がかわるのか」を体験してみよう。


  • ギリシア建築 http://web.kyoto-inet.or.jp/org/orion/jap/hst/greek.html