ランドマークについて手を動かしながら考えてみよう
風景のなかで「ランドマーク」は、その存在が周囲から特に顕在化するものとして文字どおり、象徴的な「印」となると同時に、まちを特徴づけるアイデンティティとしてあり続ける(パリのエッフェル塔、フィレンツェのサンタマリアデルフィオーレなど、どのまちのそれも住人にとっての「原風景」ともなっている)。 したがってその姿、またはかたちのありようは、景観の要素として好むと好まざるとに関わらず、人々にその存在を常に意識させ続ける。その意味において、「気に入らなければ」買い換えのきく個人の購入物などとはそのあり方が大きく異なり、自ら「公共性」という大きい責任を負う宿命的な存在なのである。 このようなことから、特に京都のような伝統的なまち並みの中では、新しいランドマークが市民の関心を集め、時として激しい論争の標的にさらされることもある。