石・コンクリートで強固な「壁をつくる」西洋の空間と、障子・襖など軽い建具で「仕切る」東洋の空間。気候風土や生活文化に由来するものとして、善し悪しとは別に、そのありようは全く正反対の趣がある。
「仕切る」ほうは建具を外せば大空間に、また、仕切り方次第で目的に応じたアレンジが可能なうえ、素材の違いで季節感を楽しむこともでき、このことが今世紀初頭のいわゆる「モダニスト」たちへ新鮮な驚きを伴って与えた影響と、その後の「逆輸入的」な展開は、文化的交流という観点からも実に興味深い。
写真:小島家の「夏座敷」への建具の入れ替え (C)小松真一
 
「仕切り」のパターン
|
空間は仕切り方次第で、ほとんど順列組み合わせてきに実にいくつものパターンがうまれる。
暮らし方にあわせ、季節にあわせ、利用人数にあわせてまさに融通無碍、変幻自在の柔軟さをもっている。
|
|