開口部の作り方


窓などの開口部分はガラスの表現として、「アクリル板」や「塩ビ板(塩化ビニル板)」を使用する。
アクリルは無色透明でかなり透明度が高く、非常に堅く丈夫である。厚さもさまざまな種類があり、最も使用されている透明の模型材料である。家具や什器にも使用されることが多い。1mm以上のアクリル板を切断するには専用のPカッター(安価)が必要。
塩ビ板はアクリル板と比べ、柔らかく加工に適している。透明度はアクリル板に劣り少し灰色がかっているが、逆にそれが開口部の表現として適している場合もある。厚さは0.5mmと1mmのもの以外は手に入りにくいが、普通のカッターで切断可能。柔らかいため、曲面を表現するには塩ビ板を使用することになる。逆に、アクリル板はほとんど曲がらない。
同じ透明部材としてプラ板(プラスチック板)もあるが、非常に脆く切断面が汚くなり、加工しにくい。

また、フロストガラスなどの半透明の素材を表現する場合は、アクリル板に「フロストスプレー」や「曇りガラススプレー」といわれるスプレーを吹き付けて表現する。ホームセンターや金物屋で購入可能。(画材屋にも稀に置いている。)

なお、指紋などが付くと、模型としてスケール感が致命的に下がるため、最も繊細に扱わなければならない。最後にクリーナーと綿棒で汚れを拭き取ると良い。手袋をして取り扱うとなお良い。


カッターでけがいたサッシの表現

01 カッターやPカッターでけがく(傷を入れる)方法カッターなどでけがいてサッシを表現する。最も手軽ではあるが、けがくだけでは表現としては少し弱い。
けがいた溝にジェッソを塗り込み、はみ出したジェッソを柔らかい布やティッシュペーパーなどでふき取ると、けがいた溝の部分だけにジェッソが残り、比較的美しい仕上がりになる。この方法は手軽で美しい。


ラインテープを貼ったサッシの表現

02 ラインテープを貼る方法ラインテープという細いテープを貼る方法。細さが0.6mm〜とかなり自由に選べるが、多少扱いが難しく、テープ自体が比較的高価。
しかし粘着力が弱く、1ヶ月程度で剥がれ始めるため、短期間限定の模型では有効。


プラ棒や木材を使ったサッシの表現

03 プラ棒や木材を貼り付ける方法最も手間がかかるが、立体感あるサッシを表現できる。
プラスチック用のボンドはアクリル板や塩ビ板に対して粘着力が弱いので、強力なスプレーノリをプラ棒の片面だけに吹き付けて貼り付けると綺麗に仕上がる。必要のない面に付かないようにマスキングは欠かせない。必要のない面に付いたスプレーノリはクリーナーでしっかりふき取ること。
スチノリは、糊がはみ出すことが多いので、塗布には集中力が必要。