「都計図」などの白地図を用意し、切り出すべき等高線を割り出しておく。縮尺によっては対応する厚さのスチレンペーパーなどの素材がないことも多いので、改めて等高線を引き直さないといけない場合もある。また、用意する地図によっては等高線が記されていないので、その場合は海抜距離などから等高線を自らで割り出して、フリーハンドなどで丁寧に描いておく。
原本は残し、コンタが重なる分の数だけコンタを描いた紙(コピー)を用意する。
都市計画図
用意したコンタラインが描かれた地図にスプレーノリ(剥がせるもの)を吹き付ける。
※スプレー糊は広い範囲に飛び散るため、人の迷惑にならない場所で作業をしてください。
スチレンペーパー(紙なし)や段ボールに、コンタラインが描かれた紙を貼り付ける。
※スチレンボード(紙付き)は、重ねると「反り」が生じるので、コンタ模型には適していません。
一段ずつコンタラインに沿って、ボードを切り出す。コンタラインを描いた紙と、下のスチレンペーパーを、フリーハンドで一緒に切ると良い。
※手を切らないように注意しながら、丁寧に、力を入れて切る。
切り出した部材の紙をはがし、貼り合わせて重ねていく。
貼り付けは1段ずつ行い、1枚貼る度に乾くまで雑誌などで上から押さえつけておく。そうしないと、部材と部材の間に空気が入り、反ったり凹凸ができるので注意。
接着はスチノリや両面テープ、木工用ボンドなどで端から端までしっかりと塗る。
接着に両面テープを使用すると、両面テープの厚み(0.3mm程度)で誤差が生じるので注意。10枚重ねると3mmほどの誤差が生まれる。
バルセロナ・パヴィリオンの敷地模型の一部のコンタ作成例
コンタの作成方法は一つではありません。代表的なコンタを含む敷地の高低差の作り方を紹介します。
制作にかける時間と熱意、スタディ模型や完成模型などの模型の目的、縮尺や傾斜の強弱によって作り方を考えて、より良い作り方を選択することが望ましい。
コンタの数だけスチボを重ねる方法コンタ1段ごとに重なる範囲全面をボードで積み重ねる。強度は大きく問題は少ないが、使用する材料が多くなる。
少ないスチボで作る方法コンタ1段ごとの重なりのみをボードで積み重ねる。上記の方法より強度が落ちるので、内側に補強が必要。
利点としては、材料は少なくて済む。勾配の緩い場合でスチボ2枚、ある程度の強度を持たせる場合でもスチボ5枚程度で作成可能。
コンタ(等高線)でなく斜面を作成する方法コンタを省略して面で表現する。緩やかな勾配、または道路や歩道部分などの表現に適す。上記の方法よりさらに強度が落ちるので、内側に補強が必要。
材料は最も少なくて作成可能。
地下や斜面を作成する場合重ねて高低差を作るのではなく、中を空洞にした箱のようなもので傾斜や高さを作る方法もある。その際、しっかりと補強をしておかないと部材が反る場合がある。
技法・解説:
補強の仕方