【学習のポイント】テキスト科目「情報デザイン演習I-2(ウェブ1)」

1年次TW科目「情報デザイン演習I-2 ウェブ1」の課題添削を担当している、情報デザインコース業務担当非常勤教員の伊藤です。

スクーリング科目「情報デザインⅠ-4(グ)ウェブデザイン1」の受講前あるいは直後にこの課題に取り組んでもらえると授業への予習または復習となり、ウェブを扱うことの基礎的な考え方を体得してもらうことができると思います。特に、これまでウェブ制作について触ったこともなく、そもそも「どうすればいいのかわからない」という方に向けての課題でもありますので、ぜひ積極的に取り組んでみてください。

さて、今回は課題内容についての直接的なお話は少し置いておいて、「ウェブの学び方」についてお伝えしたいと思います。まず、ウェブデザインと聞いて思い浮かべるのが「コーディングの難しさ・複雑さ」だと思います。コーディングがパズルを解く遊びのようでおもしろい、と感じる人はあまりいないと思います(私はどちらかというとそうなんですが)。ウェブという技術が生まれたのは、実はグラフィカルな表現のためではありません。コンピュータの発展がそうであるように、その出自は情報伝達の高速化と共有化(アーカイブ)のためにつくられた技術です。授業やテキスト課題で行うコーディングは、正確にはマークアップと言って、HTMLの文法に即してコンピュータが理解しやすいように「情報の意味付け」を行うことになります。HTMLは、情報を効率的に転送して表示するために使われる「言語」です。いわばマークアップというのは、コンピュータでも情報を理解できるようにするための「翻訳」だと捉えるとしっくりくるかもしれません。

翻訳するためには、まずその言葉をよく知ることが大切なのですが、まず何よりも「翻訳前の文章を整理しておくこと」が大事です。
書籍を例に考えてみると、必ずタイトルが存在しますし、紙面の大きな見出しが目立っていて、その次には見出しに対応する文章が書かれています。図解が必要であれば、写真や画像が配置されているでしょう。
このように、情報を整理して、それぞれの要素に意味付けを行っていくこと(アウトライン化)が情報デザインです。
ウェブデザインも同様に、そういったアウトライン化をまずは頭の中でやってみることが重要なポイントです。

たまにウェブの授業で、考える前にコードを書き出す人がいますが、コーディングのできるウェブデザイナーはなかなかエディタを開いてコーディングに入りません。
まずはノートやメモに書きながら、それぞれの要素の意味付けを考えます。
ページで最も大きなタイトルは、マークアップする上では「h1要素」というようなルールに基づいて、アウトラインを引いていきます。
コードを書く時間以上に、この作業に時間がかかる場合もあります。

このように、ウェブの本質がコーディングというめんどくさくて大変な作業ではなく、「情報をデザインする」ことにあるということを頭の片隅に置きながら学習を進めていってもらえればよいと思います。

 

 

伊藤慧(情報デザインコース非常勤教員)