【学習のポイント】テキスト科目「情報デザイン基礎1(共)日常の観察」
2018度からTW科目「情報デザイン基礎1」「情報デザイン基礎2」の課題内容が変更になりました。2年次に習得していただきたい力・内容を改めて見直し設定しています。これまでの提出状況をみると、シラバスの内容や配付教材の準備によって比較的迷うことなく取り組まれている様子ですが、今月は「情報デザイン基礎1」へのアドバイスをしたいと思います。
まず、この課題の大前提である「観察」という言葉自体を「観察」されていない場合があります。手早くウェブ上(大辞林第三版)で調べると、観察とは「物事の様相をありのままにくわしく見極め、そこにある種々の事情を知ること」と記されています。この「ありのまま」ということを見落とし、配付教材「対象を観察し分析したこと」欄において、ご自身のイメージで語っておられる場合が少なからずあります。例えば「ノートの新しいページは真っ白で何もない」というコメントです。紙には繊維があり頑張れば紙の目も見えます。折り目や汚れ、罫線や目盛、リング綴じの穴などもあるでしょう。
無意識のうちに情報を消去してしまう癖や刷り込まれた意識で物事を見ることから脱却し、小さな情報も見逃さず自身の視点を獲得することはこの課題の重要な目的でもあります。「観察」する意識で見つめると「伝える」テーマを果たすものは新聞やテレビだけではないはずで、逆に関係の薄い対象に「伝える」テーマを無理に見出さなくても適切な対象の選択と理由が得られるでしょう。そういった意味では「日常の」ということも忘れないでください。どこか異国の地や過去の写真という特別な一枚はこの課題では重要ではありません。毎日の暮らしの中からとっておきの「伝える」…「もの」「空間」「シーン(場面)」を期待しています。
また、本課題はスクーリング科目「情報デザインIV-1観察発想トレーニング」とも関連しています。着手時期の指定はありませんので、わずかに意識しながら両授業を結びつけ考えると更なる気づきが得られるでしょう。
河野綾