【卒業生からのメッセージ】大河内かおり(2012年度卒業生)
「卒業制作に挑戦する方へのアドバイス」
学生生活を振り返ると、やはり最大の難関であった卒業制作が最も心に残っています。今回、これから卒業制作を目指す方に応援の気持ちも込め、経験から学んだ方法や意識の持ち方を卒業生の視点でお話したいと思います。
お仕事が忙しい方はご自分の勉強スタイルをお持ちだと思いますが、この1年はこれまで以上に忙しくなります。「バッチリ計画がある」方は、ぜひそのまま驀進してください。私は「それほど自信がない」という方に以下の4つのポイントをお伝えします。
◆卒業制作以外の課題は夏までに片付ける
卒業制作前半は企画や発想を練り上げていく期間であり、これはこれでじっくり時間を取りたいところです。早い段階でスカッと決めたいですし。しかし卒業制作以外の課題も残していた私の場合、とにかく両方気になってしまい、結局焦って両方とも中途半端な手の付け方をしてしまったのが反省点です。
夏までは頭で卒業制作の企画を、手は卒業制作以外の課題〜単位修得に向けて動かす。そして夏以降は頭の中で練り上げた企画を吐き出して卒業制作を一気に形にしていく、という感じがオススメです。
◆出足が悪くても、上り調子にすれば良いだけ
私の作品が具体的に見えて来たのは、本当にギリギリの秋口。それまでのスクーリングでは先生から、「具体的な作品が出て来ないから、コメントしたくてもコメントしようがない」と言われるほどでした。しかし秋頃から朝3時起床で勉強時間を確保したほか、スケジュールは何度でも立て直しました。暫く人並み外れた生活が続いたことは否めませんが、最後まで諦めない心で調子を上げていけば問題なしです。
◆励ましてくれる人を見つける
せっぱ詰まって来ると、通常より孤独感が強まります。私も「場を共有する」「グループ」「集団」の意味と、そのメリットを改めて意識した1年でした。無条件で励ましてくれる人、もしくはスクーリング以外でも励まし合える同級生(一緒に卒業制作に取り組んでいる人)を見つけて、心が折れそうになったら声を掛け合ってください。私の場合は信頼する知り合いに頼み「絶対卒業出来る!! 最後までやり切りましょう! 」とか、「諦めることなかれ! 」などの励ましコメントを手帳に書いてもらい、何度も目を通しながら乗り切りました。もちろんスクーリングで会う同級生との会話は心が休まります。
◆先生を信頼する
卒業制作の前半戦、鉄は熱いうちに打てとばかりに先生方は攻めて来られます。最初から考え・方向性が凝り固まらないように、またあらゆる視点から検証出来ているか確認するために、こちらの考えをどんなに伝えても総崩しにあいます。正直、うっとうしい時もあります。しかしこれも、より高いレベルを目指し、卒業制作に相応しい景色を見せてくれるための愛情です。先生方を信頼し、一度意見を素直に取り入れてみてください。あくまでも取捨選択権は学生側にありますし、最終決断も皆さんがすることです。新しい気付きや自分の考えの及ばない場所を照らす一筋の光だと思い、信頼して導かれてみましょう。
卒業制作と仕事の両立は本当に厳しく、何度も心が折れそうになりましたが、それでも「絶対卒業する! 」「1人でも多くの人に伝わる作品にしたい! 」という強い気持ちで挑みました。完成し審査に合格した瞬間はただただ安堵しましたが、後日の卒業制作展で実際に展示してみると作品に違った表情があらわれ、より高い満足感が得られたように感じました。
卒業制作目前の方も、学習が始まったばかりの方も、卒業制作という舞台を目指しがんばってください!
卒業制作作品
「サラ天 -明日を迷走するサラリーマンの天気予報-」
卒業制作展 搬入風景