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2012年度 卒業制作・卒業研究 作品・論文集

卒業制作展・卒業生に寄せるメッセージ

卒業制作展

■会期
 2013年3月10日(日)~3月17日(日) 11:00~18:00(最終日は16:00まで)
■会場
 京都造形芸術大学 瓜生山キャンパス 人間館、ギャルリ・オーブ、芸術館
■コース別出展者数
 芸術学コース41名、歴史遺産コース37名、文芸コース27名、
 和の伝統文化コース6名、日本画コース45名、洋画コース41名、
 陶芸コース35名、染織コース27名、写真コース15名、
 アニメーションコース3名、情報デザインコース21名、
 建築デザインコース49名、ランドスケープデザインコース33名、
 空間演出デザインコース15名

卒業生に寄せるメッセージ

「通信教育部卒業制作展に寄せて」
京都造形芸術大学学長 千住 博


 私は30年間ひたすら絵を描き続けてきました。
 若い時、私には多くの同期の画家の仲間たちがいました。
 私よりよほど才能があり、力量もあるだろうと思われる友人たちも何人もいました。
 しかし今、その中で画家として発表を続けている仲間は少数になってしまいました。発表だけが画家の仕事とも思いませんが、とにかく大半が発表の舞台から姿を消してしまったのです。そして言うならば打たれても無視されても絵を描き続けてきた“しぶとさ”と“あきらめの悪さ”を持ちあわせていた私を含む数名だけが残った、と感じています。少なくとも私は絵がなくては生きていけないと思っていましたから、何があっても筆を折るなど考えてもみなかったですし、絵以外これといってやりたいこともなかったということもあります。
 絵を描き続けている数名の画家たちには“あきらめの悪さ”以外にも共通項がありました。それは、決して自分の作品を良いと思っていなかったということです。もう少し何とかならないかと悪戦苦闘し、あがいているうちに10年経ち、20年が過ぎ、気付くと30年の月日が経っていたのが私たちとも言えます。
 それに対し、戦線離脱していった仲間たちはプライドの高い自信家たちでもありました。自分が評価されないのはおかしい、不当だ、という強い気持ちも手伝い、何かのきっかけを最後に潮が引くように舞台に立ち続ける情熱を失っていったようです。そんな例を私は多く見てきました。その何かのきっかけというのは、他人の私から見ても具体的に特定できる公募展の落選や個展での不本意な評価でした。はっきり言って、そんなささいで、理由にもならない理由から自分の作品に対して「冷めて」しまい、そしてあっさり自分に終止符を打って去っていく、そんな身近な友人たちの後ろ姿を見て、その程度の情熱だったのか、とがっかりしたものです。
 通信教育部を卒業される皆さんは、苦労をいとわず、精進に精進を重ねここに至ったのですから、今さらそんな風に筆を折るも何もありません。ここまでが本当に大変だったと思いますので、その点は大きなハードルを既にいくつも越えてきた、と言って良いと思います。ここから先、何年ブランクが開いてもまた筆を持ち直して制作を始めればいいだけのことです。戦争や病気で何年も画壇から遠のいた画家たちが後に大巨匠となった例の多いこともよくご存知でしょう。私の恩師の杉山寧や国民画家と言われた東山魁夷が若き日に何年も病に苦しみ、長く休筆せざるを得ず、しかしそんな挫折感を乗り越えてネバーギブアップで再び舞台に上った不屈の人たちであったことは有名な話です。
 熱意は必ず実を結びます。こつこつと一筆一筆大切に、自分のペースで仕事を重ねて作家活動を続けて下さい。
 私は皆さんの卒業を自分のことのようにうれしく思います。それはこれから一生同じ側で絵を描き、作品を創る仲間、同志がまた大勢増えたと思うからです。
 皆さんに幸多かれと祈っています。



「イロトリドリ ノ ヨロコビ」
京都造形芸術大学通信教育部長 上田 篤


春らしく実に華やかな色彩に包まれました。
ここにある作品・論文の全てが
鮮やかな色とりどりの表情で我々を魅了します。

社会人ゆえの幾多の苦難を乗り越え、
志を同じくする仲間との切磋琢磨や挑戦を重ねながら、
一人ひとりがしっかりと磨き上げた血と汗の結晶。
そこから発せられる輝きに感動を覚えます。
この成果を心からともに喜び合いたいと思います。

15年という節目を迎えた通信教育部ですが、
これからも「芸術する心」を育む場であり続けるとともに、
新しい夢への出発点として皆さんを見守っています。
ここで得た芸術的創造の喜びを胸に、
自信を持って次の一歩を踏み出してください。

物理学的には、色の変化とは物体と物体を照らす光との相関で説明されます。
皆さんの放つ光から新たな色が誕生する瞬間を心待ちにしています。

豊かに、ちょっぴり刺激的に、
これからの人生を存分に謳歌されることを願っています。