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2008年度 卒業制作・卒業研究 作品・論文集

卒業制作展・卒業生に寄せるメッセージ

卒業制作展

■会期
 2009年3月15日(日)~3月21日(土) 11:00~18:00(最終日は17:00まで)
■会場
 京都造形芸術大学 瓜生山キャンパス
 人間館、ギャルリ・オーブ、ギャラリーRAKU
■コース別出展者数
 芸術学コース66名、歴史遺産コース25名、日本画コース49名、
 洋画コース63名、陶芸コース46名、染織コース39名、
 写真コース17名、アニメーションコース3名、
 情報デザインコース12名、建築デザインコース39名、
 ランドスケープデザインコース21名、空間演出デザインコース12名

卒業生に寄せるメッセージ

「通信教育部卒業制作展に寄せて」
京都造形芸術大学 学長 千住博


家庭や仕事と両立させながら通信教育で学ぶ日々は、大変なご苦労の連続だったことと思われます。まずは、卒業制作、卒業研究まで到達され、不断の努力を結実されたことに、心からおめでとうとお祝い申し上げます。
通信教育部の皆さんの作品を見るたび、私はある種の喜びを感じます。それは忘れてはならないものを思い出させてくれ、見なければならないものに出会っている喜びです。素直な気持ちで描かれた皆さんの作品を通して、私はその真摯な態度に芸術を学ぶ原点を感じ、常に立ち戻るべき場所を教えられるのです。澄み切った心の境地と、芸術への純粋で意志的な姿勢から生まれた素朴で愛らしい、時に力強い作品の数々に、昨年も私は長い時間会場に留めさせられました。
家庭や仕事と両立させながらの厳しかった学生生活の日々を思えば、これから先、簡単に筆を折ったり挫折したりする心配はまずないことでしょう。様々な理由でどんなにブランクがあいてしまったとしても、これからは一作でも多くの作品を描き、つくり続けてゆかれるのみです。
これから先、是非心に留めていただきたいことがあります。それは「芸術はコミュニケーションである」ということです。長年の間、私が皆さんに言い続けてきていることですが、自分が描きたいから描くという動機も大切ながら、自分の作品を通してわかり合えない他者とわかり合うことができるということ、そして誰かが自分の作品を目にして人知れず励まされているかもしれないということを、是非忘れずにいらして下さい。さらに、相容れないと思われている色や形が新たに出会って生まれるハーモニーの美しさは、これこそ芸術の醍醐味というべきものです。芸術とは「Peace Making Process(平和創造への過程)」。戦国時代に四季を一枚の画面に閉じ込め、どんな相反する敵対勢力とも調和することができると説いた狩野永徳をいつも思って下さい。
私も試行錯誤しながら、日夜挑戦を続けています。30年描いていても、絵の具が落ちたり画面が割れたり、嫌になることは多々あります。思いの詰まった作品を発表しても、満足のゆく評価を得られることなど滅多にないのが日常です。上手くいかないことの方が多い毎日ですが、不屈の精神で向かうのみと毎朝アトリエに入っては自分に檄をとばしているのです。
何とかして伝えたいと思う心意気が、人を感動へと導きます。人は必ずしも色や形で感動するのではないということを、是非忘れずにいらして下さい。皆さんの今後のご健闘を教職員一同とともにお祈りすると同時に、素晴らしい人生の新たな門出を心から祝福申し上げます。



「“じりつ”の証」
京都造形芸術大学 通信教育部長 尼﨑博正


思い出として残るのは、楽しかったこと?
あるいは、つらかったこと?
そのどちらもが、この研究・制作の成果には潜んでいるように思えます。

夢いっぱいの胸に刻まれてきた苦しみと喜びが糧となって、
今や、皆さんの「芸術する心」の輝きは本物です。
それは“自立”の証ともいえるでしょう。

“自立”は“自律”によって、よりいっそう確かなものとなります。
この二つの“じりつ”が信頼関係を生み、
一人の人間として互いに尊敬し、認め合う、
新たな仲間との出会いへと導いてくれるからです。

いつも志を同じくする仲間がいて、
新たな可能性の発見と、芸術的創造の喜びを分かち合える。
これほど幸せなことはありません。

社会へ飛び立つ人、あるいは大学院へ進む人、
それぞれ道は平坦ではないでしょう。
でも、自信をもって歩んでください。

皆さんが自らの手でつかみ取った自信を胸に、
生涯にわたる創作・研究活動を通じて、
これからの人生をさらに豊かなものにしていかれるよう願っています。
あなた方こそ、未来。
これは、まぎれもない事実です。
そう、「芸術立国」の実現は皆さんにゆだねられているのです。